電磁界解析ソフトウェアEMSolution

GCE(直方体電流要素)使用上の留意点

概要

EMSolutionは、外部電流磁場ソースの一つとして直方体電流要素GCEを用意していますが、この要素をつないで曲線状のコイルを模擬しますと、電流連続の条件が満たされずに問題となることがあります。例えば、Fig.1の様な正方形のコイルをGCEだけで作りますと、そのつなぎ目で電流が不連続となります。

Fig.1 GCEのみでコイルを模擬したとき

解説

Fig.1では、中心に線形磁性体(図は全体の1/8)がある場合の静磁場計算の結果(磁性体内の磁場分布)を示していますが、ICCG法が$10^{-3}$程度までしか収束していません。もちろん、Fig.2の様にARC(矩形断面円弧要素)でつなげば電流連続が満足され、収束も良くなります。
ARCも使用してコイルを模擬することが望ましいですが、データ作成にかなり手間がかかります。r7.5より、GCEおよびARCの細線近似を用意しました。断面のない線電流とし、これらをFGCE、FARCと呼ぶことにします。

例をFig.3に示します。FGCEは点をつないで行くだ けで作れますので、データ作成は簡単になります。ICCG法の収束も問題ありません。ただし、線電流近傍では磁場が非常に大きくなりますのでご注意下さい。線上では磁場は0としています。
r7.4以前では、断面寸法を非常に小さくしますと線電流近似になり、同じことができます。

Fig.2 GCEとARCでコイルを
模擬した場合

Fig.3 FGCEでコイルを模擬した場合

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