電磁界解析ソフトウェアEMSolution

磁気軸受モデル

概要

磁気軸受の定常回転時の発生トルクを解析します。

解説

回転軸は、軸方向に重ねられた積層鉄で、軸方向の電気抵抗の高い異方性導電性を持つとします。Fig.1のようなコイルとヨークによって発生される磁場中を回転するとします。モデルは上下対称とし、90度周期対称とします。本モデルでは、軸半径を120mm、軸とヨークのギャップを 0.4mmとしています。

Fig.1 磁気軸受解析モデル

9000rpm回転時の渦電流表皮深さは 0.15mm程度と評価されます。表面層の分割厚みを0.03mmとしました。このような薄い要素層を用いて解析しますと、非対称行列ソルバの収束が非常に遅くなります。この例ではILUBi-CGSTAB法を用いましたが、10 -8までの収束を得るのに、非線形繰り返しを含め繰返し数は39000回程度になりました。

Fig.2、3に回転軸の磁場分布を示します。磁束は大まかには、軸上方から下方に向かって流れています。特徴的なことは、Fig.3 から解りますように軸の内部で磁場は回転方向にほとんど一様なことです。磁場の変動は表面に限られています。しかし、磁場の変動はスキン厚さ以上にしみ込んでいます。これは、回転軸の軸方向導電率が非常に小さいとしたため、面内方向の磁場は内部までしみ込むためと思われます。軸方向磁場の変動はスキン厚さ程度に限られています。磁極の回転方向前後で磁場強度の高いところが現れており、かつ、磁場方向が回転方向(あるいはその逆)に向いています。

Fig.2 回転軸内の磁束密度分布
(単位T)

Fig.3 回転軸表面の磁束密度分布
(単位T)

大まかには、磁束は軸上方から下方に向かって流れています。特徴的なことは、図4 から解りますように軸の内部で磁場は回転方向にほとんど一様なことです。磁場の変動は表面に限られています。しかし、磁場の変動はスキン厚さ以上にしみ込んでいます。これは、回転軸の軸方向導電率が非常に小さいとしたため、面内方向の磁場は内部までしみ込むためと思われます。軸方向磁場の変動はスキン厚さ程度に限られています。磁極の回転方向前後で磁場強度の高いところが現れており、かつ、磁場方向が回転方向(あるいはその逆)に向いています。

Fig.4 ロータ断面の磁束密度分布
(単位T)

図5、6に渦電流の分布を示します。渦電流は軸の表面に流れています。導電性の異方性のため、電流方向はほとんど水平面内となっています。大まかには、導体表面の磁場変動を少なくする方向に流れています。

Fig.5 回転軸内の電流密度分布
(単位 $A/m^2$)

Fig.6 回転軸表面の電流密度分布
(単位 $A/m^2$)

本モデルの作成、解析に当たりましては、(株)IHI殿の協力を頂きました。

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