電磁界解析ソフトウェアEMSolution

ギャップ要素面の交差

概要

ギャップ要素は、導体中の絶縁ギャップや磁性回路中の空気ギャップを近似する方法として有効です。しかし、EMSolution r8.4以前はギャップ面は交差させることが出来ないことや、三角柱や四面体要素メッシュでは適用できない等の制限がありました。 r8.5で機能を追加し、これらの制限がなくなりました。ここでは、その計算例を示します。

解説

Fig.1にモデルメッシュ図を示します。図では、正方形板(1/8モデル)をギャップ面で分割しています。外部磁場をz方向に一様な磁場とします。境界条件は、x=0およびy=0面でBn=0とします。一般に、Bn=0面に対して電流は垂直に流れますが、図のように、ギャップ面をBn=0面に定義することにより、横切る電流を無くすことが出来ます。

また、Fig.1のように交差するギャップ面を定義できるようになりました。 Fig.2,3に六面体要素メッシュで計算したときの渦電流密度分布を示します。絶縁ギャップが正常に模擬されています。周波数が低く、4つの渦に大きな差が有りませんが、若干外側の渦で密度が大きくなっています。Fig.4,5には、三角柱(プリズム)要素を用いた結果を示します。六面体の場合とほぼ同じ結果が得られています。四面体メッシュでも同様に使用することが出来ます。 ギャップ要素を使用する際、以下の注意点が挙げられます。

  • 従来と同様、ギャップ面は導体や磁性材から一層外側に延ばして定義する必要があります。ただし、対称面から外に延ばす必要はありません。
  • 対称面上や周期境界面上のギャップ要素は、モデルメッシュ側を正の方向として定義して下さい。
  • 周期境界面を横切るギャップ面は取り扱えません。周期境界面上のギャップ要素は使用できます。

Fig.1 正方形板の絶縁ギャップ
による分割

Fig.2 渦電流分布
(6面体要素、実数部)

Fig.3 渦電流分布
(6面体要素、虚数部)

Fig.4 渦電流分布
(三角柱要素、実数部)

Fig.5 渦電流分布
(三角柱要素、虚数部)

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