電磁界解析ソフトウェアEMSolution

EMSolutionの基礎4-4
非線形反復法

 EMSolutionでは、非線形問題を解く際には、ニュートン・ラフソン法を適用しています。ここでは、その方法自体についてはおきまして、ICCG法の収束と関連について述べたいと思います。

 非線形問題では、ICCG法の収束ループを内側に含む非線形収束ループの二重ループを解くことになります。非線形ループが収束していない段階で、内側のICCG法の収束条件をあまり強くしても意味がありません。このため、EMSolutionでは、ICCG法の収束条件を非線形収束に関連させて、変更して行きます。ICCG法の収束は、多く場合最初急激に収束誤差が小さくなり、その後だらだらと収束して行きます。非線形収束が悪い段階ではそのゆっくりした収束が行われないで、次の非線形ループに入って行きます。このことが、SRCの磁気ヘッドベンチマーク問題[29]で、EMSolutionが他のソフトウェアより格段に高速であった主な理由ではないかと考えています。