社長メッセージ
当社への応募をご検討の方への、当社社長の西川からのメッセージです。
当社の事業
■ 顧客
顧客は主として製造業ですが、各種研究機関も顧客です。大手重電重工業の研究開発部門・設計部門への技術サービスからスタートした会社なのでこのような顧客が多いですが、最近は様々な製造業の製造部門・サービス部門、あるいは技術サービス会社等の仕事が増えています。
■ 事業内容
仕事の内容は、研究開発・エンジニアリングとソフトウエア開発です。ここで、「研究開発・エンジニアリング」とは、顧客が必要とする研究開発、設計・解析業務、および各種技術的検討他を意味しています。「ソフトウエア」は、対象は工学・科学系に限定していますが、対象業務の内容や業務プロセスの検討・設計にまで踏み込むケースが殆どです。事業内容を二つに分けて説明しましたが、製品信頼性や製造プロセスに関わるビッグデータの分析(AI活用を含む)に加えて、ソフトウエア・通信とハードウエアが一体化したシステムや装置の開発や製造など、上記区分に当てはまらないような仕事も増えています。製造といっても工場は持っていないのでファブレスということになりますが。
■ 事業の仕組み
事業の仕組みは、受託業務とライセンス等の二つです。ここで、「受託業務」とは、顧客との間で「〇〇の開発」、「〇〇の設計」、「〇〇の解析」、「〇〇システム構築」などの契約を締結し、その作業を実施し、その成果物を顧客に納品するものです。成果物とは報告書、ITシステム、試作品等を意味します。聞きなれない言葉だと思うけれど、このような仕事は「役務提供」と呼ばれることがあります。「ライセンス等」とは、当社開発のソフトウエアの利用権をライセンス等の形で顧客に利用していただくものですが、その他に少額ですが知的財産権をライセンスしている事例もあります。現状、知的財産権のライセンス収入は少額ですが、将来的には大きくなる可能性があります。
当社の仕事は解りにくいのですが、顧客が必要とする開発・設計・解析・検討などの技術事項を代行すること、および顧客が必要とするツール類(ソフトウエアやシステム)の開発を行うことが基本です。時代の流れは、製造業であっても工場を持たない会社、逆に設計部門を持たない製造会社、総務や経理部門を持たない会社などが増えていますし、今後も確実に増えるでしょう。
受託業務の進め方
当社の仕事は、期限(納期)、予算、達成すべき成果が予め決まっている一塊の仕事(プロジェクトと呼んでいいのですが)を推進していくことです。ここで、予算とは所定の成果を得るために必要な技術者の作業時間、および必要な費用のことです。プロジェクトは顧客との契約に基づくものだけでなく、社内での自社製品開発や技術開発、事業開発なども含まれています。
■ ケース1:仕事が与えられている場合
期限・予算・達成すべき成果が決められている場合を説明します。「これこれの仕事を、これだけの予算で、何時までに仕上げて下さい」と定められているケースです。このような事項を文書(例えば仕様書、計画書等)で示したものが発行されます。ここで、納期や予算は数字で記載されているから明確ですが、「これこれの仕事」の部分は内容により千差万別で、技術作業を行うための条件、考慮すべき事項、および成果物が記載されます。成果物は、○△設計報告書、○△解析結果報告書、○△試作品、○△システム…、および数量が記載されています。聞きなれない言葉だろうけれど「検収条件」という項目もあります。成果物を顧客に納品した時に、顧客から「これでOKです」と認めていただけるための条件です。設計書や解析結果報告書の場合は、成果書を所定の期日までに納品することで検収していただくことが多いのですが、試作品やシステムの場合は、納品前に各種試験を行った結果を確認していただくことが通例です。
以上は、一種形式的なことで解りやすいけれど、実際のどのような作業を行い、どのような成果物を納品するかの作業計画を作成することが技術者の腕の見せ所になります。我々がモノを購入する場合は実物を見てから購入することが普通です。通販であれば、実物に対する写真や説明書などがあります。しかし、当社の仕事は顧客から注文を頂いてから作業を開始するので、仕様書があるだけです。顧客の立場で考えれば、ものすごいリスクを負うことになります。当社の立場としては、顧客に満足していただく成果を出すことが絶対的な要件になります。入社して直ぐに作業計画を作ることは無理な場合が殆どですから、先輩が計画を作るか、計画作りをサポートするので心配はありません。一つの仕事は複数の技術者がチームを組んで推進することが原則です。
■ ケース2:仕事を創る仕事
順番としては、ケース1の前の段階の作業ですが、仕事に慣れてから担当してもらうことになるのでケース2として説明します。顧客から話を伺い、提案するようなケースです。顧客にとり価値ある成果・価格・納期で提案することがポイントです。仕事には開発要素が含まれているので、絶対確実に所定の成果を達成できる保証はありません。達成すべき成果・納期・予算を検討し、契約(約束)することはスリリングなことです。しかし、これは開発業務の宿命であると同時に面白さややり甲斐の源泉です。顧客への提案だけでなく、社内での研究開発の提案や、次に記すソフトウエア製品の開発等も同じ作業です。
一つの仕事の期間は短いもので1、2ヶ月。長いものだと数年以上になりますが、このような長期の仕事の場合は最長で1年程度に区切ります。一つの仕事を一人で担当することもあるけれど、特に顧客との契約の仕事は複数の技術者がチームを組んで担当します。一人の技術者の立場で言えば、常時複数の仕事に関与していることになります。
ライセンス事業の進め方
当社で開発したソフトウエア製品を顧客に使っていただく事業に対しては、①ソフトウエア開発(マニュアル作成を含む)、②個別契約に対する各種設定等、③技術サポート、④ソフトウエアの保守、⑤周辺技術の開発などがあります。当社の対象ソフトウエアは大きく分けて電磁気解析関連ソフト、およびIoTシステム構築用ソフトの2種類があります。前者は電磁気解析技術というエンジニアリング要素が強く、後者は最新のITの要素が強いという意味で性格の違いがありますが、多くの顧客に利用していただく製品なのでソフトウエアとして安定性、使いやすさ、マニュアル整備等が不可欠です。一般的なソフトウエア製品のライセンス事業に比較し、当社は顧客への細かい技術サポートを重視しています。例えば通常の電磁気解析ソフトウエア製品では解析が不可能な問題に対して当社のソフトウエアを改造して提供したり、あるいはIoTシステム構築でエンジニアリング的な技術サポートを行ったりしています。
テレワークについて
当社は昔から自宅作業の制度がありました。コロナ以降は、ハードウエアの試作や評価試験等を除けばテレワーク化を強く推奨しています。テレワークを行う人には、相応の技術力、自己管理力が求められることは当然です。自己管理力には、同僚との間で仕事の調整を行う能力も含まれています。したがって、入社時点からテレワークだけという勤務形態は無理ですが、技術者として成長してくれば殆どテレワークという人もいます。日常的な打合せはオンライン会議でやっています。それでも、人間同志の直接コミュニケーション能力がどうしても必要なことはあります。テレワークだけで全ての仕事を推進することには無理があることは、言うまでもありません。