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| April 2, 2007 |
COIL(外部電流磁場ソース)は、有限要素メッシュとは独立にコイルを定義して磁場計算を行うことができます。しかし、従来のEMSolutionでは、COILのみのモデルであっても何らかの有限要素メッシュの入力を必要とし、有限要素法によりメッシュ全体の磁場分布等の結果を求めていました。また、B_INTEG(磁化および電流積分による空間磁場)を用いて、ビオ・サバール則によるCOILのみの磁場を求める機能はありましたが、磁場評価点の座標値をinputファイル中に直接入力する必要があり、入力データの作成が煩雑となるだけでなく、その磁場分布をコンター・ベクトル表示するのは容易ではありませんでした。そこで新たに、COILのみのモデルにおいて、B_INTEGの磁場評価点をメッシュデータとして入力し、ビオ・サバール則によりその磁場を求め、ポストファイル形式で出力する機能を追加しました。これにより、COILによる磁場計算は、境界条件の設定を行う必要がなく、精度良く求めることができます。
例として、Fig.1に示すCOIL(赤色)による磁場分布を、B_INTEGの磁場評価点の領域(黄色)で求める場合を考えます。COILの形状や寸法は従来どおりinputデータに記述します。B_INTEGの磁場評価点は、メッシュデータであるB_integ_meshファイルを入力データとします。ファイル形式は従来のpre_geom等と同様です。解析を実行すると、B_integ_mesh中に定義された各節点位置において磁場計算を行い、指定された形式でB_integファイルに結果を出力します。ここで、B_integ_meshファイルには、ポスト処理であるコンター表示等にも流用しますので、節点データだけでなく要素データも含めてください。要素データは、ソリッド要素、シェル(面)要素のどちらでも構いません。post_geomファイルには、B_integ_meshのデータはなく、COIL形状のみが出力されます。Fig.2に、上記機能により計算された磁場分布をFEMAPで処理したものを示します。Fig.3にシェル要素メッシュを入力データとした場合の磁束密度ベクトル分布を示します。
従来のEMSolutionでは、評価点がCOILから十分遠方にある場合、自動的に三次元形状で入力されたCOILは線電流として近似計算していましたが、その評価点からCOILまでの距離に対して、判定値を入力できるようにしました。十分遠方では、三次元形状で入力されたCOILの作る磁場と線電流で近似したものは非常に精度良く合い、さらにCOIL磁場を線電流近似で計算することで、計算時間が速くなる場合があります。また、COILの計算方法を改善した結果、精度が向上しました。なお、本例題に用いたコイル形状寸法は、「COIL(外部電流磁場ソース)を用いた静磁場解析」などで使用されている、電気学会技術報告
第286号:「三次元静磁界数値計算技術」にあるベンチマークモデルです。
使用法
「input 10. 入出力ファイル」において、
・INPUT_MESH_FILEに、B_integ_meshのファイル形式番号を入力する。
・MESHLESS=1とする。
・POST_DATA_FILEに、B_integのファイル形式番号を入力する。
・MESH(FILE出力)=1とすると、COILの形状データがpost_geomに出力される。
・B_INTEG=1とする。
・計算に含めるCOILシリーズ数(NO_COIL_SERIES)を入力する。
・MESH_INPUT=1とする。
・COILシリーズ番号をNO_COIL_SERIES個入力する。
注)XSYMMETRY等の対称性データは意味を持ちませんが、除かないでください。
COILデータは従来通りの入力となります。ただし、前述した線電流近似を行う評価点からCOILまでの距離に対しての判定値であるLINE_APPROXが追加されています。これは、LOOP、GCE、ARCで作成された矩形断面コイルの中心線から評価点の最短距離が、コイル矩形断面の長辺の半分の長さのLINE_APPROX倍以上の場合、線電流(FGCE、FARC)に置き換わって計算が行われます。体積電流(矩形断面通過電流)と線電流近似の境界では、空間に対する連続性が悪くなる場合がありますのでご注意ください。線電流近似させず全てを体積積分の対象としたい場合には、充分に大きな数を設定してください(下記入力例)。逆に、全て線電流近似する場合には0と設定してください。なお、LINE_APPROXは、いずれかのCOILデータに設定しますと、全てのCOILに対して適用されます。
使用データ:input.txt,B_integ_mesh.neu
inputファイルには、本計算に不必要なデータが多く含まれますが、データ入力上必要ですので削除せずご使用ください。COILデータとして、インダクタンスや電磁力計算のためのGEC-、ARC-データが含まれていますが、磁場計算のみを行う場合には意味を持ちませんので削除しても構いません。なお、B_integ_mesh.neuはxz面のメッシュ(Fig.3)となっています。